フラックス洗浄剤 マイクロクリン・マークレス®

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はじめに

高密度実装基板の信頼性確保に不可欠なフラックス洗浄

近年、電子機器の高密度化、高速度化が進むにつれ、信頼性確保の観点からフラックス洗浄の重要性が見直されています。その一方で鉛フリーはんだフラックスやハロゲンフリーはんだフラックスは従来の洗浄剤では洗浄困難なケースが増えています。化研テックのフラックス洗浄剤マイクロクリン・マークレス®シリーズは、従来のグリコール系や炭化水素系洗浄剤では洗浄が困難だった鉛フリーはんだフラックス、ハロゲンフリーはんだフラックスにも抜群の洗浄性を発揮!国内外の多くの実装ラインで採用いただいています。

フラックス洗浄剤マイクロクリンとリンス剤マークレス®の開発ポイント!

化研テックでは グリコール系洗浄剤マイクロクリン+含水アルコールリンス剤をマークレス®を用いた独自の洗浄工程を開発・提案しています。炭化水素系の洗浄剤や準水系洗浄システムのデメリットをカバーする化研テック独自の洗浄剤・リンス剤を紹介します。

化研テックの商品開発における重要基本事項

  • ✓ 洗浄剤によって洗浄後の回路特性を変化させないこと。(絶縁抵抗のみならず誘電特性も重視)
  • ✓ ソルダリング後のフラックス残渣(特にイオン性化合物)及び、その他工程汚染物質に対する溶解・除去性が高いこと。
  • ✓ 電子部品及び、その他構成材料に影響を及ぼさないこと。あるいは、影響が極めて軽微なこと。
  • ✓ 人体・環境への安全性が高いこと。
  • ✓ 安定供給が可能であり、リサイクル性に優れること。
を商品開発における重要基本事項としています。

近年の通信装置・モジュール等に使用される電子基板・電子部品は高周波設計が必須であり、基板材質に低伝送損失が求められています。低誘電率の材質特性を基板メーカー各社が求めている中、化研テックでは洗浄工程において、回路表面の特性を変化させないことを最優先に洗浄剤設計を行っています。

高洗浄力の秘密

『フラックス残渣とは』ページで解説しているように、フラックス残渣はロジン、未反応の活性剤、チクソ剤、金属塩(Sn塩等)などの成分で構成されており、それらの成分は大きく非極性(親油性)成分と極性(親水性)成分に分類することができます。


<フラックス残渣モデル>

化研テックのフラックス洗浄システムでは、洗浄剤マイクロクリンシリーズが非極性成分を除去し、リンス剤のマークレス®が極性成分を除去するため、効率よく かつ 完全にフラックス残渣を除去することができます。

独自の洗浄メカニズムによる高性能フラックス洗浄剤 マイクロクリン

鉛フリーはんだフラックス残渣には金属塩などの溶解しにくい成分が含まれており、従来の溶解力だけを重視した洗浄剤ではフラックス残渣を完全に除去することが困難でした。化研テックのフラックス洗浄剤マイクロクリンシリーズは、フラックス溶解力だけではなく、溶解しにくいフラックス残渣被膜にも浸透し、膨潤・剥離させる機構を取り入れているため、フラックス洗浄力が高いことが特長です。

水リンスの欠点をカバーする含水アルコール系リンス剤マークレス®

化研テックではフラックス洗浄のリンス剤として水リンスではなく、含水アルコール系のマークレス®ST-05を開発。
よく一緒に検討される準水系洗浄システムの水リンス工程と比較しながらご紹介します。

優れたリンス性能

マークレス®は表面張力が低く、チップ下などの細かい間隙まで高いリンス効果を発揮します。また、洗浄剤に界面活性剤を配合しなくても洗浄剤の置換ができるため回路特性を変化させません。

水リンスなら…

水は表面張力が高いため間隙への浸透性が悪く、十分に洗浄剤を置換できないため液残りが発生してしまいます。そのため、洗浄剤に界面活性剤を配合し、プリント基板の表面を親水化させ、また界面活性剤によって水の表面張力を下げることで間隙への水の浸透性を向上させています。しかし、この界面活性剤がプリント基板の表面に残存すると誘電特性などの回路特性の低下を招いてしまいます。

スピード乾燥

マークレス®の乾燥性はアルコール(IPA)とほぼ同等。隙間の乾燥性も水と比べて約1/4のスピードで乾燥が可能です。
水を乾燥した際にみられるウォーターマークも生じにくいことが特長です。

水リンスなら…

水は乾燥しにくいため、乾燥時間が長くなる、乾燥温度を高くして消費エネルギーが増えるといった課題があります。
また、表面張力が高いため、水の中に含まれる微細な異物が水の乾燥とともに濃縮されやすく、ウォーターマーク(水シミ、乾燥痕)が発生します。

腐食・腐敗がない

マークレス®は水とアルコールの混合物です。水は含まれているもののアルコールの特性により金属腐食、鉛崩壊、腐敗が抑制されます。

水リンスなら…

水が金属を腐食させる恐れがあるため頻繁な水交換・廃水が発生し、手間とコストがかかります。また、水の腐敗を防止することは難しく、腐敗によって発生した藻類・菌類が洗浄工程における異物問題を多く引き起こしています。

廃水ゼロ、低コスト

洗浄システム「マイクロクリーナー®」に標準搭載されている蒸留再生器で装置内リサイクルが可能なため低コストで運用が可能です。また廃液は蒸留再生でカットされた濃縮残分のみですので、廃液の量を大幅に削減しています。

水リンスなら…

水リンス工程で使用する水もリサイクル可能ですが、水の浄化には大きなエネルギーを必要とし、また高性能な膜(水処理膜)などの備品も必要なためコストがかかります。さらに工場内に排水処理設備がない場合は、排水処理にもコストがかかります。

マイクロクリン・マークレス®の一般性状

品名 フラックス洗浄剤 リンス剤
マイクロクリン
WS-3220
マイクロクリン
WS-2107
マイクロクリン
RW-4180
マークレス®
ST-05
特長 鉛フリー対応
(汎用)
鉛フリー対応
(難洗浄用)
非危険物 -
主成分 アルコール系 アルコール系 グリコール系 アルコール系
比重
(20℃)
1.00 1.05 0.98 0.89
粘度
mPa.s(20℃)
9.3 9.7 11.0 2.3
表面張力
mN/m(20℃)
35 44 36 26
沸点
(℃)
200以上 200以上 100以上 81
引火点
(℃)
105 100 - 24
オゾン
破壊係数
0 0 0 0
消防法
第4類
第3石油類
非水溶性
第3石油類
非水溶性
非該当 非該当
安衛法有機則 非該当 非該当 非該当 非該当
テクニカル
データシート
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ペーストやフラックスのメーカー様および品番をご連絡ください。はんだペーストやフラックスごとの洗浄データを社内で保有しておりますので、調査の上 適切な洗浄剤をご提案いたします。
また、弊社研究所では実際のワークを使った洗浄テストも承っております。
使っているフラックス洗浄剤や紹介してもらったフラックス洗浄剤に関する情報がホームページに載っていない。
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